【News】ライエのジップライン、許可なしで工事 「観光に必要」vs「自然を守って」

オアフ島北東部、ライエで計画されているジップラインをめぐり、必要な許可を取らないまま工事が進められていたことが分かり、議論になっています。

計画しているのは、ツアー会社のCLIMB Works。ホノルル市の計画・許可局によりますと、今年8月に現地を調査したところ、造成や建物の工事に必要な許可が取得されていないことが確認され、違反通知が出されました。

許可なしで造成された土地は、およそ542立方ヤードに及び、市は工事を止めるよう「ストップ・ワーク・オーダー」を発行。違反を解消するには建築許可を取得する必要があり、許可を取らずに工事を行ったことに対する追加料金も課されます。対応が取られなければ、今後、1日あたり50ドルから300ドルの民事制裁金が科される可能性もあるということです。

ただ、この問題をめぐっては、許可の有無だけでなく、そもそもライエにジップラインを造ることが適切なのかという議論も続いています。

計画に反対する住民からは、ライエの山や農地を守ってほしいという声が上がっており、ある住民は、この地域には重要な農地があるものの、ハワイでは質の高い農地が非常に限られていると指摘しています。また、長年この地域の山でハイキングやトレイルランニングをしてきた住民からは、開発によって山の環境が変わってしまうことへの懸念も聞かれました。

一方、この計画を支持する人たちもいます。

ライエで生まれ育ったハワイ先住民で、クム・フラでもあるケケラ・ミラーさんは、このプロジェクトのアドバイザーの一人。子どもたちの将来のためには良いことだと話しています。

また、CLIMB Worksと関係者は、ジップラインによって地域の雇用が生まれるだけでなく、収益を農業にも還元できるとして、計画の意義を説明しています。計画によって地域へのアクセスが妨げられることはないという考えも示しています。

さらに市によりますと、この計画を進めるためには、敷地の少なくとも50パーセントを実際に農業に使っていることなど、一定の条件を満たす必要があります。事業者側は現在、その条件を満たすための資料を市に提出していて、市が内容を確認しているところです。

現時点では建築許可は出ておらず、土地の開発も承認されていません。

観光や雇用につながる施設を造るのか、それともライエの農地や自然を守るのか。今回の問題は、単なるジップライン建設をめぐる話にとどまらず、ハワイの土地をどのように利用していくのかという、地域にとって大きなテーマにもなっています。

今後、市による審査がどのように進むのか、引き続き注目されます。