Slider

【News】ラハイナ山火事について州から報告

去年8月にマウイ島のラハイナで起きた大規模な山火事について、きのう、ハワイ州州司法長官による第1段階の調査結果が発表されました。

特定の機関などを非難するものではないとしながらも、「山火事が起きた当時、通信手段(コミュニケーション)に不手際があった」と指摘しています。

ハワイ州司法長官は、研究機関と協力してラハイナの大規模な山火事についての調査を行っています。

調査結果をまとめた第1段階の報告書によりますと、「8月8日午前6時35分、クイアルア・ストリートとフカフア・プレイス付近で、電線の落下が原因とみられる火事が発生し、一気に燃え広がった」としています。

出火原因を巡っては、HECO=ハワイアン・エレクトリックとマウイ郡当局が裁判を行っていて、HECOは「別の火災がラハイナに延焼したと主張」する一方、マウイ郡は、「乾いた草の上に落ちた電線から出火したことが、大規模な山火事の原因となった」としています。

その後、火は海に近づくにつれて極めて速く広がり、午後4時24分にミル・ストリートで最初の死者が出たことが警察から報告されたということです。

火は、海岸近くのフロントストリートの建物に拡大し、初期消火も追いつかない速さで建物から建物へと燃え広がったとみられます。

調査に携わったデレク・アルコニス=リサーチプログラムマネージャーは、当時、郡当局や緊急オペレーションセンターなどの通信・コミュニケーションに不手際があった」と、指摘しています。

当時、山火事の対応に当たっていた郡緊急事態管理局のアンダヤ局長は、住民に緊急事態を知らせるサイレンを鳴らさなかったことについて、辞任前の会見で、「サイレンを鳴らせば津波と勘違いして住民が山に向かったかもしれない」などと述べていました。

アルコニス氏は、このことについて、「アンダヤ氏は、被害の拡大を把握できておらず、住民に避難指示を呼びかけるかどうかの検討もしていなかった」としています。

ハワイ州のロペス司法長官は、きのうの記者会見で、「調査で何かの判断を下す準備は出来ていない。現時点では、誰の行動についてもコメントするつもりはない」と、述べました。

一方、報告書では、現場の警察官と消防士が拡声器や車のサイレンを使って住宅を一軒一軒回り、住民に避難を呼びかけたことが記されています。

ロペス司法長官は、「警察官や消防士は、命がけで対応に当たった。英雄であったことがはっきり分かる」と、強調しました。