Slider

【News】大被害をもたらしたハリケーン・イニキから30年

30年前の9月11日は、ハワイではハリケーン・イニキINIKIがカウアイ島を直撃した日です。

カウアイ島を代表する2人が、ハリケーン・イニキを振り返りました。当時の郡長と現在の郡長です。2人は共に、カウアイ島はもう元には戻れないという恐怖を感じたといいます。

ハリケーン・イニキは、カテゴリー4の強さで、カウアイ島に上陸し、風速は145マイル、突風は225マイルに達しました。ハリケーン・イニキによる死者は6人、被害額は30億ドル以上に上りました。

当時のカウアイ郡の郡長、ジョアン・ユキムラ氏は、「イニキはカウアイ島の人々を苦しみにおとしいれ、我々が知っている全て、必要としているものを全て奪ってしまったような惨状でした」と振り返りました。ハリケーンが直撃した後は、電気も水も不通になりました。「恐怖のひとつは特に高齢者が脱水症状で亡くなるのではないかということでした。ハリケーン後の最初の数時間は、まるで第三世界のような感じでした。伝達手段が失われ、メッセージは人から人へ手渡し、口頭で伝えるしかできませんでした。自転車を使って人に伝えたりしたのです」と話しました。

現郡長のデレク・カワカミ氏もイニキを昨日のことのように覚えているといいます。

川上氏は当時15歳で、家業の商店で働いていました。「ハリケーンの音も覚えていますし、窓ガラスが割れるような音も覚えています。うちのすぐ後ろにある隣の家の屋根は、新築の家でしたが、きれいな青い瓦が風で何事もなかったかのようにはがれました」と話しました。

川上氏は、その余波を目の当たりにして恐怖を感じましたが、懸命に復興作業を行なっていたユキムラ郡長の事も覚えているといい、「郡長は第一線で地域社会と深く関わり、できる限りのことをしたと思います」と話しました。

ユキムラ郡長は「当初、すべてを失ったと思いました。いえ実際にすべてを失った人もいました。しかし、私たちには多くのものがあることにも気づいたのです。私たちには命があり、愛する人がいて、友人や隣人というコミュニティがあり、生き延びるための意志とイニシアチブがあったのです」と語りました。

川上氏は、ハリケーン・イニキは、コミュニティが困難な状況にあるとき、政府関係者が希望の光であり続けることが重要であると教えてくれた、と話しています。