ハワイマネープラン相談室~vol.10 日本からハワイへの進出

『ハワイマネープラン相談室 〜相続・税務・投資の最前線〜』税理のプロ、内藤 克先生のコラムがスタート!

税理士法人 アーク&パートナーズ 提供
「ハワイマネープラン相談室 〜相続・税務・投資の最前線〜 」の番組が4月よりスタートいたしました。

さらに、毎月、内藤先生が、ハワイにお住まいの皆さんが知っておくべき、お金に関する重要な情報をお届けします。
ぜひお聴きください。

※ 第10回目をお聞きになりたい方は、下の再生ボタンを押すと聞くことができます

今回のゲストは
ハワイ GO法律事務所
小林 剛さんをお迎えします。

日本からハワイへの進出

コロナ禍が明け、日本からハワイへビジネス進出を図る企業が再び増え始めています。業種は飲食店、ブライダル、ヘアサロンなど多岐にわたりますが、日本独特のビジネススタイルがハワイでも見られます。

ハワイ進出の際には、日米間の法律・商習慣・文化の違いなどから苦労する場面が少なくありません。これは、逆にハワイから日本へ帰国する際にも、ハワイ在住者が直面しやすい課題でもあります。そこで今回は、日本のビジネススタイルについて、いくつか事例を挙げてご説明します。

 

  1. とにかく急ぐ

デジタル社会の進展により、電話による同期型コミュニケーションから、メールやLINEなどの非同期型コミュニケーションへ移行しました。その結果、常にスマートフォンを確認し、迅速なレスポンスが求められるようになっています。パソコンで丁寧な文章を作成するよりも、タイムリーな返信を優先する傾向があります。

 

  1. 「ハワイは日本人が多いから安心」という思い込み

ハワイで活躍する日本人ビジネスパーソンの多くは、米国流のスタイルで働いています。ところが、日本の慣習に慣れていると、「はっきり伝えない」傾向が出てしまいがちです。日本には「あうんの呼吸」や「行間を読む」という文化があり、特に言いにくいことほど最後まで聞かないと意図が分からない場合があります。そのため、会話の終わりには意識的に確認し合うことが大切です。

 

  1. 「周りはどうしているか?」「前例はあるか?」にこだわる

しばしば「欧米は罪の文化、日本は恥の文化」といわれます。日本では「そんなことをして恥ずかしくないのか」という判断基準が根強く、罪かどうかよりも恥ずかしいかどうかで行動を決めがちです。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という流行語も、その文化背景をよく表しています。

 

  1. 役割分担があいまい

日本では、コンビニで陳列作業をしているスタッフがレジの混雑を見て、すぐにレジ応援に入ることがあります。また、美容室の開店前にはスタイリストが掃除や窓拭きをするのも珍しくありません。
一方、米国では職種や役割分担が契約で明確に定められているため、このような柔軟な対応は難しく、それを見て「サービスが不足している」と感じる日本人もいます。

数十年ぶりに日本へ帰国・移住する場合も、こうした文化的・商習慣的な違いを理解し、心構えを持つことが重要です。