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【News】運転許可されるアルコール基準値変更法案

飲酒運転を防止し、交通死亡事故を減らすために、ハワイのドライバーの(運転できる)アルコールの基準値を下げる法案が提出されています。上院の2法案と下院の2法案は、飲酒運転の血中アルコール濃度の制限を現行の0.08%から0.05%に引き下げるというものです。

ホノルル警察のデータによると、2021年に警察が調査した交通死亡事故は47件で、そのうち23件はアルコールが関係していました。この年ホノルル警察は2,473人を飲酒運転で逮捕しています。

ハワイ・アルコール指針連合のリック・コリンズ部長によると、11月から12月にかけて550人の住民を対象に行った世論調査では、過半数が血中アルコール濃度を下げることを支持しているということです。

上院司法委員会での最近の証言では、ホノルル警察やホノルル、マウイ、カウアイの各市郡の弁護士を含む連邦、州、郡の機関が法案を支持すると表明しています。

一方、カウアイビール、ラニカイ・ブリューイング、ワイン・インスティテュート、ハワイアン・クラフト・ブリュワーズ・ギルドと公選弁護士らはこの法案に反対を表明しています。

国家運輸安全委員会のトーマス・チャップマン氏は、ユタ州で血中アルコール濃度の基準値を0.05%に引き下げる法律が制定されたときのことを指摘し、ユタ州の死亡事故は、法律が施行された2016年から2019年にかけて19.8%減少したものの全米の死亡事故率は5.6%しか下がらず、コロラド州やネバダ州といった近隣の州では、ユタ州と同様の改善は見られなかったといいます。米国道路交通安全局によるユタ州の調査では、新しい法律はアルコールの売り上げ、税収、観光、飲酒運転の検挙数には何の影響も与えなかったと指摘しています。

一方、州運輸局は、0.05%の値を「オーストラリア、ドイツ、アイルランドなどの国、地域でアルコール障害運転による死亡事故を減少させた実績のある対策」としています。尚、日本の基準値は0.03%です。

ハワイでは、障害者運転の血中アルコール濃度を0.05%に引き下げる同様の法案が出ましたが、2022年の立法会期中に前進せずに終わっています。