【News】ダナ・アイルランドさんレイプ殺人事件
32年前にハワイ島で起こった「ダナ・アイルランドさんレイプ殺人事件」の唯一の服役囚が釈放される可能性が出てきました。
アルバート・イアン・シュバイツァー被告の弁護士が23日、裁判官に有罪判決の取り消しを求めました。弁護士は、DNA技術の向上を含む新しい証拠を引用しています。
この事件は1991年のクリスマスイブに、ダナ・アイルランドさん(当時23才)がカポホで自転車に乗っていたところ、車にはねられたもので、舗装されていない道路にダナさんのボロボロになった自転車と靴、ブロンドの髪が現場で発見されました。しかしそこにダナさんの姿はなく、その後約30分後に事故現場から5マイル離れたWaa Waa Road沿いの茂みで下半身裸の状態で発見されました。ダナさんはほとんど意識がなく病院に搬送されましたが出血多量で死亡しました。その現場から、別の靴とダナさんの短パン、それに青いJimmy’ZのTシャツが回収されました。
検察側は、そのTシャツはこの事件で有罪判決を受け、2015年に刑務所内で死亡した被告の1人、フランク・ポーリン被告のものだと主張していました。この事件ではポーリン、シュバイツァーと弟のショーン・シュバイツァーの2人も起訴されました。
しかしシャツの血液とダナさんを治療した医療関係者が使った担架の血液、さらに回収された他の体液と一緒に検査された結果、DNAは3人の被告の誰とも一致しませんでした。検察側は、一致しないDNAは4人目の共犯者のものに違いないと説明しましたが、4人目の人物は特定されないままです。
そして被告らが有罪判決を受けた後の2018年、DNA技術の進歩により、(えん罪をはらすための活動)ハワイ・イノセンス・プロジェクトが、Tシャツの乾いた汗で再度検査を行いましたが、その結果、またフランク・ポーリン被告のDNAは検出されず、汗は、現場や遺体から回収された証拠と同じ身元不明の男性と一致したということです。
シュバイツァー被告の有罪判決を覆すために提出された申し立てによると、当時裁判で証言した何人かの証人はのちに撤回したり、、信憑性がないと判断された人もいます。また、証言と引き換えに報奨金や減刑を受けた者もいたとされています。
シュバイツァー被告は2000年に有罪となり、現在もアリゾナ州の矯正センターで服役中です。弟のショーン被告は、司法取引に応じで服役を免れたあと、兄の無罪を勝ち取るために活動しています。
ヒロの裁判官は、この申し立てについて判決を下し、シュバイツァー被告の有罪判決が破棄されるかどうかを決定することになります。検察は再審または不起訴とすることもできます。審問は24日の朝に予定されています。